名古屋高等裁判所 平成4年(行コ)22号 判決 1993年1月26日
岐阜市六条大溝三丁目一番一七号
控訴人
株式会社 ピースター商事
右代表者代表取締役
高橋成典
右訴訟代理人弁護士
横山文夫
岐阜市加納清水町四丁目二二番地
被控訴人
岐阜南税務署長 大村政敏
右指定代理人
大圖玲子
同
意元英則
同
迎一夫
同
吉野満
右当事者間の青色申告承認取消処分取消請求控訴事件について、当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件控訴を棄却する。
訴訟費用は控訴人の負担とする。
事実
控訴代理人は「原判決を取り消す。被控訴人が控訴人に対し昭和六二年一〇月一三日付でなした昭和五六年九月一日から昭和五七日八月三一日までの事業年度以後の法人税の青色申告承認を取り消すとの処分を取り消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、
控訴代理人は、控訴棄却の判決を求めた。
当事者双方の事実上及び法律上の主張は、次に付加する外、原判決の事実摘示(原判決二枚目裏二行目から同六枚目裏三行目まで)と同一であるから、ここにこれを引用する。
(控訴代理人の陳述)
本件異議申立書は郵送により被控訴人に到達したものであるところ、被控訴人としては、これを開封して受理手続をすべきであったのにこれを怠った。しかも、木村税理士には国税通則法一〇七条二項にいう特別な委任がなかったにも拘わらず、被控訴人は木村税理士に本件異議申立書を返却し、その取下げを許した。これらの事情を考慮すれば、本件異議申立ては、適法になされたというべきである。
(被控訴代理人の陳述)
争う。
(証拠関係)
本件記録中の原審及び当審における書証目録並びに原審における証人等目録の記載と同一であるから、ここにこれを引用する。
理由
一 当裁判所も控訴人の本件訴えは不適法としてこれを却下すべきものと判断する。その理由は、次に訂正・付加する外、原判決の理由説示(原判決二枚目裏三行目から同三枚目裏四行目まで、及び同七枚目表一行目から同一四枚目裏一〇行目まで)と同一であるから、ここにこれを引用する。
1 原判決七枚目裏八行目の「甲一、乙六、」を「書込み部分を除き成立に争いのない甲第一号証、成立に争いのない乙第六号証、」に、同八枚目裏二行目の「国税局」を「税務署」に、同九枚目裏二行目の「甲二の一ないし三、」を「いずれも原審における控訴人代表者本人尋問の結果により真正に成立したものと認められる甲第二号証の一、二、成立に争いのない甲第二号証の三、」に、同一一枚目表九行目の「乙一、」を「成立に争いのない乙第一号証、」にそれぞれ改める。
2 原判決一三枚目裏五、六行目の「認めることができず(」の次に「成立に争いのない」を、同六行目の「甲第五号証は、」の次に「成立に争いのない」を、同九行目の「信頼関係が」の次に「約一年間」を加え、同末行の次に、行を換えて次のとおり加える。
「前記認定に反する部分がある、原審における控訴人代表者本人尋問の結果により真正に成立したものと認められる甲第四号証は、前掲各証拠と対比して信用できず、また、当審提出の甲号各証によっても、前記認定を覆すことはできない。」
3 原判決一四枚目表一〇行目の末尾に続けて「そして、このような事実関係の下においては、被控訴人に、本件封書を開封したうえ、本件異議申立書を受理すべき義務があったということはできない。」を、同末行から同裏一行目にかけての「三一条」の次に「、及び国税通則法一〇七条二項」をそれぞれ加え、同六行目の「相当である」を「相当であって、右税理士法や国税通則法の条項を適用ないし準用すべき場合でない」に改める。
二 そうすると、右と同旨の原判決は相当である。
よって、本件控訴を失当として棄却することとし、控訴費用の負担について行訴法七条、民訴法九五条本文、八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 土田勇 裁判官 喜多村治雄 裁判官 林道春)